59.本年度2回目 とよたつながる博【豊田市美術館で開催中の展覧会を知ろう!】
公開日:2022年11月16日 最終更新日:2023年01月13日
タイトル |
59. 2022.10.29 とよたつながる博「豊田市美術館で開催中の展覧会を知ろう!」第2回
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詳細
「豊田市美術館で開催中の展覧会を知ろう!」つながる博2回目の参加
10/29日(土)14:00~15:30
活動センター 活動室1に於いて
参加者:14名+スタッフ6名=20名
10月15日より開催中の現代美術を代表する作家の1人「ゲルハルト・リタヒター展」
日本では16年ぶり、東京国立近代美術館(10/2日まで)との共同企画。
豊田市美術館では展示空間を活かした独自の展示。
当日は左の画像の作品、作家の娘《エラ》を対話型鑑賞、数点の作品のみどころを紹介しました。
終了後、是非とも本物を見たくなった。既に見たがもう一度行きます。など嬉しい言葉をかけて下さいました! |
◆美術館内のガイドツアーは、ガイドボランティアが学芸員の指導を受けて展覧会の資料を作成します。
その資料を元に、平日14時~、土日祝11時~と14時~2回 ツアーを行っています。
オープン以来、多くの方が来館され、ガイドツアーの参加者も増えています。
ツアーの最初に「ゲルハルト・リヒターを以前から知っている人?」と問うと知らない方がほとんど。
もちろん作家を知っているだけで来館されることは多く無いのですが、『新聞や芸術誌を見て来ました』と、関心の高さを感じます。
今回はリヒター展の資料を作成したメンバーの協力を得て、139点の作品の中からポイントの作品の鑑賞と解説を交えて、ワイワイと賑やかに楽しみました。 |
◆作家の娘《エラ》を鑑賞。
●気がついたことなど。
・じっと本を見ている様。
・肌が白いので西洋人。
・ピンぼけしている。
・慈しむ思いで描いた感じ。
●表情から感じることは?
・強い意志を感じる。
・何を考えている?
・本を読んでいる?
・何かに集中している。
・いつもの姿、飾らない姿。
●「見る」から感じることは?
・少女の年代の一部を切り取っている。
・父の目で見ている。
・作者の気持ちが見えてくる。
●写真を元に描いている。ぶれたように描いたのはどうしてか?
・写実と印象派の間の様。オブラートに包んだように描いた。
・普通はしない描き方、思いを残したかった。
・写真にできないことを表現etc |
◆展示室8 1960年代~2014年、展示室1~3 2017年~現代
139点の作品を時系列に展示。
展示室8《モーターボート》
リヒターはベルリンの壁が作られる直前、1961年に西ドイツに移る。
東ドイツのアカデミーで学び壁画を描いていたリヒターが、デュセルドルフ芸術アカデミー大学で学び直し、現代美術を意識した模索をしている頃の作品。
一見写真のように見えるが、近くで視ると絵具の刷毛目が確認できる。
コダック社の広告の写真を元にぼかして描いている。
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◆色彩のコーナーの作品では、《4900の色彩》《ストリップ》の作品を解説。
同じコーナーの《アラジン》
板に塗料を載せた後、ガラスに転写した作品。
タイトルから想像ができるように、絵具から生まれる豊かなイメージが幻想的で物語的だったためイスラム世界「千夜一夜物語」から名付けている。 |
◆リヒターにとって最も重要な作品《ビルケナウ》日本初公開
展示室ではグレーの鏡を挟んで、絵画と写真バージョンの作品4点が向かい合って展示してあります。
空間に身を置いて今、感じること、リヒターの思いに想像を膨らませていくと、さまざまなイメージを思い浮かべることができるのではないでしょうか。
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◆《ビルケナウ》2014年 解説
リヒターはドイツの作家、避けることができない負の遺産。
アウシュヴィッツ=ビルケナウ強制収容所で密かに隠し撮りされた写真が戦後明らかに。
その写真が絵画の下に描かれている。
学生時代から写真の存在を知り、1967年に制作を試みるも、社会の拒絶反応を感じ断念。
50年の時を経て2014年に完成。 |