41.Season2 祟化館交流館「対話で楽しむアート鑑賞会出前講座」
詳細
2021年7月31日(土)
13時~14時30分
崇化館交流館 視聴覚室
『対話で楽しむアート鑑賞』
参加者9人(定員10人当日欠席1名)
取り上げた作品は
ピート・モンドリアン
《大かな赤の色面、黄、黒、灰、青色のコンポジション》
あいちトリエンナーレなどで随分広まってきた対話型鑑賞はトーカー(ファシリテーター)によってかなり違いがあることをご存知ですか?
この日のトーカーは最高齢の大ベテランが担当。
VTS的な作品情報を一切与えない方法にこだわり長年追求してきました。
トーカーの前説
「なんのために美術館に行くのか?
美術作品を見に行くためですか?
なぜ美術作品をみるのですか?
美術館の専門家から、情報、解釈を聞くことで、一方的な知識となりますが、教養としての美術鑑賞も楽しいです。
しかし、今日の対話型鑑賞の目的は違います。
自分の感性、人生観で見る。
結果としての、今の自分の人間性を知ることになる。
自分の生き様を作品を通して語って頂ける場にしたいと思います。
この作品はあなたにとって何を意味していますか?
誰か、自分はこう感じた、というのありませんか?」
なかなか哲学的な前説、皆さんの発言が無いので、まずトーカーの感想を披露しました。
トーカー
「私はこう思いました。
自分の人生観を表したのではないかと思いました。
赤は生きがい。
メインの生きがい、小さな生きがいあちこちにある。
黄色は体力
青は希望
黒は死生観
と感じました。
あなたはどう感じましたか?それが大袈裟にいえば、己を知ることになります」
ここから参加者は次々にユニーな感想を語り出します。
「楽しそうだな。パズルみたいに
、並べ替えたい」
「都会の街、鳥瞰図、、地図見みたい。上から見たら色とりどりで、楽しい」
「モンドリアンの作品の中では1番華やかで、メインの作品だと思います 」
「明治大正のステンドグラスのよう。ノスタルジック。
お金持ちの家にある様な。羨ましい。憧れる」
「赤い1番大きいとこに
みんな集まって、楽しい感じ。
線がチキンとしているのが礼儀だだしい人達。
白いところには、まだ後から集まる人の為に空いています。どんな色が来るかしら?
左はの方からお友達が集まってくる感じ」
「デザイン。油絵とは思いませんでした」
「いつ生まれて、何歳で亡くなったのかしら」
(情報無しで進めてますが、、参加者の意見に沿うように、質問には他のスタッフメンバーから答えました。)
「私は、オリンピックみたいに感じました。
赤アスリート。周りは関係者
自分は下の小さい赤から応援してる。頑張っているアスリートから周りの人は元気を貰っている」
最後にトーカーより
「いずれの意見も自分の人間性を知り、今現在の自分と対峙することになったと思います」
今回は、「作品情報を一切与えない」VTS的対話型鑑賞で、参加者は初めなかなか戸惑った様子でしたが、トーカーの繰り返し自分の言葉で語ることの奨めで、頭を絞り始めた結果、参加者おのおの物語が語られたこととなりました。
参加者には頭の中をじゅうぶんぐるぐる回して頂いた後、現在の豊田市美術館で開催中の「モンドリアン展」の見どころの紹介をしました。
作品とその背景を知って頂く事で、その関係性を深め、来館に繋げるのが目的です。
終わりに今日の感想をお聞きしました。
「解説を聞くより対話型鑑賞会の方が面白い」
「美術館で、本物みる方が生き生きしている」(これは、今回チラシの写真を使っての鑑賞での物足りなさでしょうか)
「経歴だけでなく、対話型鑑賞は見方を引き出して貰える」
「(見所紹介のスライドの)イブ・サンローランのモンドリアン・ワンピース、思い出しました。私の若い時には最先端でした」
「暑いから、なかなか、美術館に行けないけど、行ってみます」
参加者の皆様ありがとうございました。
長文失礼しました。
この情報は、「豊田市美術館ガイドボランティア自主グループ 「アートフレンド」」により登録されました。