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「豊田市博物館開館記念特別局」8J2TCM 公開運用 8/25

公開日:2024年08月31日 最終更新日:2024年09月01日

スライド2豊田市博物館開館~春のGWの「とよはくパートナーイベント」の一つとして5月5日に開催した公開運用の第2弾として、『豊田市のアマチュア無線の大先輩たちが、今から58年前に第7次南極観測隊越冬隊員として南極にいる仲間を励ますための無線交信を行った』という云われの再現を、現在第65次隊として南極に赴任しているアマチュア無線家の協力を得て行いました。また、市民の方にも無線交信を体験してもらう機会としました。

 

 

 

 

 

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無線交信体験を希望する市民の方には、南極局と交信するときの基礎知識を持っていただくため、午前中から午後にかけて博物館内のセミナールームで【パネル展示】と【南極セミナー】を見学・受講していただきました。

 

 

 

1724641728435-0並行して”むかしの家”では、『21MHzモノバンド・3エレメント・フルサイズアンテナ』の設置に汗を流しました。8月18日に一度組み立てて接続するアンテナ部材に合わせマークを施しておいた前準備が効を奏して、瞬く間にアンテナが”むかしの家”の前庭に揚がりました。その後、博物館の担当者から雨雲レーダー情報で雨雲が近づいていると連絡が入ったので、急遽アンテナを降ろしてアンテナコネクターとケーブルコネクタの結合部を自己融着テープで防水処理を施しました。案の定、その1時間後に激しい雨に見舞われたものの、アンテナが機能障害を起こすことなく、一難を逃れることが出来ました。

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KIMG7019その後、南極との交信予定時刻までは、特別局運用で伝播状況を探っていました。国内局どおしの交信は聞こえませんが、オーストラリアの無線局が不特定の局を呼び出している声が聞こえていました。そういう状況でしたが、私たちのアンテナから電波が出ているのかを確かめる必要もあり、根気強く呼び出していると、岡崎市の無線局からの応答があり、その後、沖縄県宮古島の無線局からも応答があって、南極との交信に期待が高まってきました。

 

 

1724645022754-0南極局との約束時刻が近くなり、30分前の14時半には全員が”むかしの家”に集合して待機しました。LINEで使用する周波数を伝えていよいよ交信開始です。LINEをはじめインターネットツールは58年前には無かったものですが、目的達成(無線交信の再現)には、近代の情報ツールも活用しました。

 

 

 

04最初に、豊田市博物館開館記念特別局8J2TCM/2(以下、8J2TCM)からJARL南極局8J1RL(以下、8J1RL)を呼び出します。間を空けて呼び出しますが、応答がありません。しばらくすると8J1RLとつないだLINEに「全く聞こえない。こちらから呼んでみます」とのメッセージが届きました。その後『8J2TCM/2、8J2TCM/2 こちらは8J1RLです。聞こえますか?』というメッセージが無線機から流れ出してきました。思わず『お~!』と声が上がります。14,000Km離れた南極昭和基地から発せられた電波が届けてくれた肉声です。感激の瞬間です。8J2TCMからも応答しましたが、やはり届いていないようです。ここで、短波電波による交信は断念しました。

次に登場させたのは、インターネットを利用したアマチュア無線方式の『D-STAR』。8J2TCMの無線機と8J1RLの無線機の双方を『ターミナルモード』にして、相互をダイレクトにつなぎました。これも事前に接続テストを重ねて、この日に備えたものです。何事も事前準備は必要で、本番当日は難なくつながりました。ここで、正式な交信を実施。相互にコールサイン、電波状態(RSレポート)、オペレーター名を交換して、交信を成立させました。

03続いて、このツールを利用してアマチュア無線免許を持たない市民に交信を体験してもらう『運用体験』です。8J2TCMのコントールオペレータがあらためて8J1RLを呼び出して交信の開始を告げ、3人の体験者にマイクを通しての交信を体験してもらいました。名前を告げ合ったあと、質問や語りかけたいことを、ご自身の声で伝えます。すると、8J1RLのオペレーターから丁寧な語り口で返信がありました。話題は、天気および気温、基地内での生活ルールなどで、豊田市が台風接近ということに対して、南極ではブリザード予報が出ているとか、気温が34℃に対してマイナス20℃という夏冬逆転の状況を実感するとともに、生活ルールでは、お酒を飲むときには、お酌をし合うことをしないで、手酌に限るといった南極越冬隊員ならではの回答をいただきました。(理由は、長期の越冬生活で各自の生活ペースを乱さないために、お酒もそれぞれのペースを守るということでした)

02このイベントに参加した人それぞれが、南極への関心を高めるとともに、無線通信の不思議さと技術進歩を体感した一日となりました。

体験者には『無線体験証』を差し上げました。

 

 

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