「豊田市博物館開館記念特別局」8J2TCM 運用 11/17<南極昭和基地との交信>
「豊田市博物館開館記念特別局」の運用を11月17 日(日)に行いました。
運用地:豊田市博物館@豊田市小坂本町
運用バンド:21MHz(SSB)、430MHz(DV)
交信数:21MHz(15)、430MHz(13)
参加者(一般見学者、電鍵ファイター参加者除く):体験運用(1)、スタッフ(9)
豊田市博物館を会場にした運用の3回目となるこの日は、16時からの「南極昭和基地との短波での交信」を控えて、特別の思いをもって取り組みました。
前回の8月25日にも南極昭和基地との交信を試みましたが、相手からの声は聞こえても、当局からの声は届かなったことは報告した通りです。今回は何としても成功させたく、アンテナの回転機能や相手局とのオペレーションを工夫して、「電波を探る」ことが出来るようにしました。結果、交信成立!!!!
あらためて、私たちが取り組む『南極昭和基地との交信』について紹介します。
今から遡ること58年前に、豊田市から第7次南極越観測隊員として1年2か月間の越冬活動をされた佐藤和郎さん(JA2KS)を励ますために、豊田市のアマチュア無線家たち(職場の同僚・後輩)が短波(21MHz)で交信した、というアマチュア無線ならではの活動を市民の記憶に引き継ぐための取組です。
左の図表が当時の活動を昨年から調査してまとめた報告書『とよた・南極もの語り』の該当ページです。この時も一筋縄では交信はできずに、苦労されています。
今回も、当方では南極から届いた全てのメッセージを受け取ることが出来たものの、相手局では当方からの微弱な電波が電磁ノイズに紛れてしまって、全ては聞き取ってもらえませんでした。
しかし『コールサイン、交信シグナルレポート、運用地』といった交信成立の必須事項は交換出来て、夢見た南極との交信を果たすことが出来ました。安定した交信ができるように、今後も更なる改善を図っていきたいと思います。
南極昭和基地では、第65次隊の活動も終盤をむかえて業務多忙にもかかわらず、私たちの思いを受けていただき、時間を割いていただいたことに感謝いたします。残りの期間も活動成果を上げられて、第66次隊の受入れと引継ぎを無事に完遂されることを望んでやみません。そして、無事の帰還を果たされますよう祈っております。
以下に、この日のイベントを紹介します。
<イベント1> 電鍵ファイタータイムレース
<イベント2> 運用体験
写真は、運用体験を行ってもらうために、予備交信をしているところです。
『むかしの家前庭』には、南極との交信用にアンテナを立てたので、その他のアンテナを立てることを控えました。そこで、新しい通信形態の『D-STAR(Digital Smart Technologies for Amateur Radio)』を使いました。
この成り立ちを表す『Smart(スマート)』とは、「賢い」「高性能」といった意味を持つ言葉で、インターネットに接続でき、タッチパネルや音声アシスタントを搭載し、アプリを追加することで機能追加できる技術のことです。例えば、多機能な携帯電話は『スマートフォン』と呼ばれていることと同じです。
今回は、アンテナを接続しないで、無線機に備わったLAN(ローカル・エリア・ネットワーク)機能を使い、モバイルルーターからインターネット接続をして『幸田430中継局』のアンテナから電波を飛ばしました。早速に応答があり、お一人の来場者が交信通話を体験されました。
<短波による南極昭和基地局 8J1RL との交信>
【スタッフ】
天気にも恵まれて、成果の上がった一日となりました。ご協力いただいた関係者の皆様に感謝申し上げます。
『とよた・南極もの語り』を、私たちの活動原点として、今後とも引き継いでいきたいと思います。
この情報は、「HAMサポ豊田」により登録されました。